イノベーションの意味


企業の目的は顧客の創造の何物でもない。顧客を創造するための機能として、マーケティングやイノベーションがある。

マーケティングは短期的視野であり、イノベーションは中長期的視野をそれぞれ持つことになる。この両輪をコントロールすることで、企業は長期的かつ継続的に顧客を創造できる。

ここでは中長期的な視野を持つイノベーションについて、イノベーションの意味、機会や原理などについて記載する。

 

[ イノベーション目次 ]
■ イノベーションの意味
・イノベーションの意味
・イノベーションと起業家精神
・イノベーションは技術革新ではない
イノベーション7つの機会
イノベーション成功の条件

 

 

イノベーションの意味

企業の目的は顧客の創造と言ったが、顧客を創造し続けることは即ち顧客のニーズに対応し続ける事にほかならない。マーケティングだけでも顧客のニーズに対応はできる。しかしそのニーズは顕在ニーズである。

顕在ニーズだけでは顧客を創造し続けることはできない。そこで重要になってくるのが隠れたニーズ即ち潜在ニーズである。

潜在ニーズとは、ニーズが顕在化されていないために認識できないニーズの事で潜在ニーズには、
・ニーズがあるにもかかわらず自覚されていないニーズ
・自覚されていても何らかの理由で顕在化されていないニーズ
の2種類がある。

イノベーションとは、顧客や社会の中でこの潜在ニーズを発見しその解決策を提供することである。

しかし、潜在ニーズを見つけ出すのはなかなか容易なことではない。例えば、潜在ニーズを掘り当てようと顧客にアンケートを大量に実施しただけで、簡単に潜在ニーズにたどり着ける訳ではない。何故なら顧客自身が潜在ニーズに気付いていないからである。

 

 

イノベーションと起業家精神

如何なる製品(商品/サービス)も時代と共に陳腐化する。たとえ大勢の優れた人たちが年月をかけて造り上げた物であっても、見直しと組み立て直しは常に必要である。文明が進歩するとは、過去のあらゆるものを陳腐化させる事である。そうやって人類は進化してきた。

だからあらゆるものにイノベーションが必要となる。そして、イノベーションを起こせる者は起業家精神を持った者に他ならない。起業家精神を持った者こそが、イノベーションを起こし、事業化することができる。

イノベーションは天才の閃きではない。ましてや変化をもたらそうとすることによって成功するものでもない。寧ろ、イノベーションは、変化を利用することによって成功する。成功の源泉は起業家の熱いパッション(情熱)と明確なミッション(使命)、そしてビジョン(未来像)である。

「われわれが必要としているものは、イノベーションと起業家精神が当たり前のものとして存在し、継続していく起業家社会である。」
この言葉は、ドラッガーの著書「イノベーションと起業家精神」より抜粋した言葉である。

イノベーションなくして文明の進歩はない。ドラッガーの言うように、我々は「イノベーションと起業家精神が当たり前のものとして存在し、継続していく起業家社会」を必要としている。

 

 

イノベーションは技術革新ではない

一般にイノベーションが「技術革新」と思われている方が多いと思うが、イノベーション=技術革新ではない。

ドラッガーはイノベーションを下記のように位置づけしている。

「イノベーションとは、人的・物的・社会的資源に対し、より大きな富を生み出す新しい能力をもたらすことでる。」

狭義で捉えれば技術革新もイノベーションの一部といえなくもないが、広義では、イノベーションは経済や社会、人間行動にもたらす変化であり、イノベーションにより多くの人が新たな価値や富を手にすることである。

ドラッガーによると、イノベーションには
・第一の機会:予期せぬ成功と失敗
・第二の機会:ギャップを探す
・第三の機会:ニーズを見つける
・第四の機会:産業構造の変化
・第五の機会:人口構造の変化
・第六の機会:認識の変化
・第七の機会:新しい知識の活用

の7つの機会があるという。
第一~第四の機会は業界・市場の内部にあり、第五~第七の機会は業界・市場の外部にある。

これ以外にも天才的ひらめきによるイノベーションもあるが、我々凡人は天才にはなりえない。凡人は凡人らしく、目的意識をもち体系を基礎としたイノベーションしかない。

『イノベーションの機会』については後述する。